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審査員が大賞を選ぶうえで投票した先について、作品別に記載しています。

各審査員は、持ち票3票を投票しています。

各得票作品への​講評

オール・オーガニック / 千草​

柏輝

シンプルな導線で遊びやすいオーソドックスな作品。
纏まりが非常に良く、キーパーの手腕やプレイグループの傾向を問わず、良好なプレイフィールが見込まれる。
探索者が事態を収拾できなかった場合の結末も、後味が悪く、良い。
公式シナリオのような安心感のある手堅さを持つ、万人向けの良作。

akimochi

探索者が何を為すべきかという部分がブレないという点が非常に優れており、初心者でも遊びやすい親切な線形シナリオかと思います。
一方で、探索者が物語に参入する動機付けや恐怖心を感じるような描写という点で物足りなさを感じることもありそうです。

因幡脩

探索箇所どうしの繋がりが美しく、また、探索者の動線を確保・補強する手段が用意されているなど、フローが丁寧に作り込まれている点に魅力を感じました。奇を衒っていない分、ややキャッチ―さやインパクトには欠けるかもしれませんが、卓越した構成力がきらりと光る王道シナリオだと思います。

銀のシャンタク鳥の背に乗って / やよ

鬼姫キキ

タイトル落ちかと思いきや、パロディに次ぐパロディがぎゅっと詰め込まれています。提示された状況に対してやりたいこと、大体やらせてくれる。ノンストップです。いっそ気持ち良い。ニコニコしながら読ませていただきました。これは同人ならではだな、と。これ好きです。いやこんなのやりたいだろ!

akimochi

一読してびっくりしたシナリオでした。作者の意図が明白で、シンプルで楽しみやすいものに仕上がっています。ドリームランドを絡めて遊ぶシナリオとして、「これこれ、こういうのが欲しかったんだ!」と拍手送っていました。審査員として読むのではなく遊びたかったと感じるシナリオの一つです! 

アノマロ

展開は某超有名ドラマを彷彿とさせます。作者の方はこのタイトルが言いたくてシナリオ書いただろう! とツッコミを入れたくなりますが、実に同人らしく良いシナリオだと思います。展開の大筋は決まっていますが、やりたいことがストレートにプレイヤーに伝わるのでストレスのないシナリオでしょう。

時を嗤う星 / 面矢 碌

DU@

現代のエジプトのピラミッド調査を題材としたシナリオ。
制限のある文字数の中で、重厚な探索とその土地ならではの情報を上手く組み合わせているように感じます。また、背景情報や土地の雰囲気にふさわしい終盤のシーンもとても楽しめそうだと感じました。

鬼姫キキ

描こうとした不気味さは、正直な所なかなか実感しにくい部分だと思います。それでも、これは是非やってみたいな、と。PL全員とシーンの状況を想像しながら遊ぶ賑やかなセッションが想像されますね。記述自体はシンプルなものが多く、弄りがいも沢山。ある程度舞台の知識があるとより楽しめそうです。

ビー・アワー・ゲスト / みながわやすふみ

DU@

「クトゥルフ神話事象が発生した後」という背景は自分にとっては真新しいものであり、差し込まれる狂気的な描写も恐怖感を煽るような良い文章であったと思います。
結末も探索者グループによっては選択が分かれることになることを上手く提案されており、キーパーする上でとても遊びやすそうだと感じました。

We are “Cultists” / めびうす

因幡脩

「カルティスト(崇拝者)をプレイヤーキャラクターにしてみよう」という着眼点もさることながら、その一瞬の閃きの尻尾を掴んで離すことなく、具体化してまとめあげた手腕が素晴らしいです。飽きさせないよう、悩ませないよう、楽しく遊べるよう、作者の意図が隅々まで行き届いた一本だと思いました。

珍宝テクノブレイク / めりーさん

あやさん。

尾張地方の奇祭をテーマにした、非常にパワフルな作品です。
奇祭と神話的事象を上手く織り交ぜたうえで、インパクトのあるイベントが畳み掛けてくるので、最後まで勢いよく楽しめる内容になっています。タイトルから察せられるように、下ネタがふんだんに含まれているので、その点はご注意ください。

ひび割れたアヒンサー / 鮫島フウロ

アノマロ

黒幕の辿ってきた経歴と行動原理が非常に独創的で感心しました。神話的クリーチャーが霞むほどに人間の黒幕が狂っていて、その行為には思わずツッコミを入れたくなるところもありつつ、真に邪悪で純粋な欲望に突き動かされてのことだろうと信じて疑うことのできない、ある種の説得力があります。

太陽を追う者 / ハゲトパス

柏輝

既存の中国神話をクトゥルフ神話体系の文脈で再解釈した正統派の秀作。
旧支配者の遺した未踏遺跡の調査、という王道に則りつつ、登場するNPCや調査で得られる情報、襲い来る脅威などには時代感と雰囲気があり、物語として良質。
文章の精度やNPC情報などを更に整えれば、頭一つ抜けたクオリティになるだろう。

Click Click / croma

あやさん。

明確なテーマ性で、短くまとまりのある作品です。年少探索者らしいひと夏の心躍る冒険と、現代日本の影に潜む神話的事象の恐怖を楽しめます。
分かりやすく魅力的な背景情報、新クトゥルフ神話TRPG・年少探索者らしいクライマックスのイベントなど、みんなが楽しめる要素を詰め込んでいて、作者の愛を感じました。

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